『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』は、平均視聴率15〜20%を記録し、ライバル番組を圧倒するフジテレビのドル箱コンテンツでした。しかし、事故発生直後の1993年6月26日放送分を休止(別番組へ差し替え)とし、ウォン・カークイ氏の訃報が届いた翌日の6月30日、フジテレビは番組の正式な打ち切り(終了)を電撃発表しました。
打ち切りに至った最大の理由は、番組制作における安全配慮義務の重大な欠落と、警視庁による業務上過失致死傷容疑の捜査が入ったことにあります。
当時の報道や捜査資料によると、以下の構造的問題が浮き彫りとなりました。
- 危険性の高い高所セット:足場が地上約3メートルという高所でありながら、演者が落下した際の安全ネットや十分な緩衝マットが配置されていなかった。
- 水濡れによる滑りやすさ:アトラクション演出として床面が水浸しになっており、通常よりも転倒・転落リスクが格段に高まっていた。
- 仮設パネルの脆弱性:人が接触する可能性のある背景パネルが簡易的な固定にとどまっており、防護フェンスとしての機能を果たしていなかった。
フジテレビ経営陣は、人命が失われたという極めて重大な結果を重く受け止め、いかなる視聴率の高さも正当化の理由にならないとして、全82回の歴史に突如として幕を下ろす決断を下しました。この決定は、昭和から平成初期にかけて続いていた「視聴率のためなら多少の危険は厭わない」というバラエティ制作の体質に、強烈な警鐘を鳴らす出来事となりました。