岡田有希子さんの死去当時の反応は、芸能界の枠を完全に超え、深刻な社会問題へと直結しました。彼女の死後、全国の青少年が次々と後を追うように命を絶つ現象が発生し、マスメディアはこれを「ユッコ・シンドローム」と名付けて報道しました。
当時の警察庁の統計によると、彼女の急逝からわずか数週間の間に、例年を大幅に上回る若者の飛び降り自殺が多発したと記録されています。テレビ各局が生中継で四谷の現場を映し出し、現場に献花に訪れたファンの取り乱す姿を繰り返し放送したことが、心理学で言う「ウェルテル効果(著名人の自殺報道に影響された連鎖自殺)」を強く誘発したと指摘されています。
この未曾有の事態を受け、日本新聞協会や民間放送連盟は報道のあり方を猛省。これがのちにWHO(世界保健機関)が策定する「自殺報道ガイドライン」の受容や、昭和アイドルを取り巻くメディア報道規制の強化へとつながり、現在の「自殺の手段や場所を詳細に報じない」「センセーショナルな見出しを避ける」という報道規範の原点となりました。