元町工場の強みを語る上で外せないのが、異なるパワートレインやボディ形状の車両を同じラインで流す「多品種混流生産」の柔軟性だ。かつては単一車種の大量生産が工場効率の正解とされた時代もあった。しかし市場ニーズが細分化した現代において、その常識は完全に塗り替えられている。
ライン上を観察すると、バッテリー電気自動車(BEV)の直後に燃料電池車(FCEV)が流れ、その次にはハイブリッド(HEV)モデルが続く。パーツの供給タイミングや組み立て手順が全く異なる車両群が、寸分の狂いもなくスムーズに組み立てられていく様は圧巻だ。緻密に計算された「トヨタ生産方式(TPS)」の思想が、デジタル技術の進化によってさらに研ぎ澄まされている。