母乳の生成と射乳を司るのは、主にプロラクチンとオキシトシンという2つのホルモンです。分娩直後から急激に高まるはずのこれらの分泌経路が、何らかの理由でスムーズに機能しないケースは少なくありません。
たとえば、分娩時に著しい出血があった場合、下垂体への血流が一時的に低下し、プロラクチンの分泌が遅れることがあります。また、近年注目されているのがインスリン抵抗性や甲状腺機能の微妙な揺らぎです。代謝系のバランスが乱れていると、乳腺細胞が母乳を作り出すシグナルを上手く受け取れないことが分かっています。これらは努力で解決できる問題ではなく、純粋な体質的・生理的な機序です。