高校時代のバカリズムを語る上で欠かせないのが、飯塚実業高校野球部での壮絶な体験です。中学時代から野球を続けていた彼は、高校でも迷わず野球部へ入部。ポジションは捕手(キャッチャー)を務めていました。
しかし、当時の運動部にありがちな「超絶対的な上下関係」と軍隊さながらの規律が部員たちを待ち受けていました。後に本人がメディアで明かしたエピソードは、現代のコンプライアンス基準では考えられないほど凄まじいものばかりです。
1年生はグラウンド整備やボール拾い、先輩たちの雑用に追われ、上級生の理不尽な命令には一切逆らえない空気でした。合宿となれば脱走を図る部員が後を絶たず、過酷な練習とプレッシャーから精神的に追い詰められる者も多数いたといいます。そうした極限状態のなかで、バカリズムは「いかに先輩の機嫌を損ねず、怒られないように振る舞うか」「どのタイミングで動けば理不尽な被害を最小限に抑えられるか」というサバイバル術を磨き上げました。
キャッチャーというグラウンド全体を見渡す守備位置にいたことも重なり、周囲の空気感や人間の本音・建前を瞬時に見抜く能力が、この過酷な部活動生活によって極限まで研ぎ澄まされたのは間違いありません。