時計の針を少し戻してみよう。1990年代後半から2000年代初頭にかけて、日本のポップカルチャーの中心には常にSPEEDがいた。その圧倒的な歌唱力でグループを牽引したのが、当時まだ10代前半だった島袋寛子である。彼女たちの爆発的な人気は、社会現象そのものだった。
同時期、お笑い界の頂点に君臨していたのがダウンタウンの松本人志だ。彼の創り出す笑いは、当時の若者にとって絶対的なバイブルであり、テレビというメディアそのものを支配していたと言っても過言ではない。交わるはずのなかった二人の線が、なぜメディアの裏側で交錯したのか。当時の芸能界が持っていた特有の「熱量」と「危うさ」が、そこには凝縮されている。