現代の市場経済を見渡すと、この対比はさらに過激な域に達している。たとえば動画配信の巨頭Netflixを思い出してほしい。一度プラットフォームを構築してしまえば、視聴者が1万人であろうと1億人であろうと追加コストはほぼゼロだ。劇的なスケールメリットが効く世界である。
しかし、介護施設での介助や小児科での診察、あるいは大学の演習授業をデジタル空間のコピーだけで代替することは不可能だ。労働経済学およびマクロ経済学の観点から見れば、社会全体でサービス経済化が進むほど、国全体の平均生産性伸び率は鈍化していく。安価で無制限に複製できるデジタルコンテンツと、時間と人手を束縛するリアルなサービス。私たちの消費は、極端な二極化の時代に突入している。