中島輝士という野球人を語る上で絶対に外せないのが、1989年4月8日の開幕戦(対福岡ダイエーホークス戦)です。同点で迎えた9回裏、一死走者なしの場面で、当時の近藤貞雄監督は代打に新人の中島輝士を指名しました。
相手のマウンドには、百戦錬磨のベテラン・山内孝徳投手。初球、甘く入った球を一閃すると、打球は東京ドームの左中間スタンドへ一直線に吸い込まれました。「プロ初打席初球代打サヨナラ本塁打」という、NPB史上前代未聞の衝撃的な一幕でした。
ドラフト1位の重圧を一振りで歓喜へと変えたこの一撃は、日本ハムファンのみならずプロ野球界全体の語り草となりました。1年目からレギュラー格として定着した中島氏は、翌1990年には初の2桁となる12本塁打を記録。勝負強い打撃と豪快なフォロースルーで、東京ドーム時代のファイターズ打線を力強く牽引しました。