日曜日の午前10時。試合開始の1時間前にもかかわらず、バックネット裏の簡易スタンドには人だかりができていた。目当ては試合だけではない。外野フェンス沿いには地元の人気飲食店が出店するキッチンカーが並び、香ばしい香りが漂う。実況アナウンスがスピーカーから流れ、イニング間には子供向けのストラックアウト体験会が催される。
「以前は選手の家族くらいしか見ていなかった」と地元の商店街理事長は話す。今では試合開催日に合わせて商店街の利用客が増え、地域の回遊性が高まっているという。地域スポーツを「観るコンテンツ」として再定義した試みは、単なる趣味の領域を超えて地域経済にささやかな、しかし確かな循環を生み出している。