「群れ(むれ)」とは、同種の生物が多数集まってひとつのまとまりを作っている状態を指す言葉です。漢字の「群」は「君(集める・統率する)」と「羊」から成り立っており、羊のように従順な動物が一堂に集まる様子を象徴しています。生物学においては、単に同じ場所に個体が存在している「密集」と、個体同士が相互にコミュニケーションや行動の一致を見せる「群れ」は明確に区別されます。
日本語には「群れをなす」状態を表す多彩な類語表現が存在します。それぞれニュアンスが異なり、文脈によって使い分けられます。
例えば、目的を持って団結する意味合いでは「結束」「徒党を組む」が使われ、力のある者が乱立する状況は「群雄割拠」と表現されます。一方で、統制が取れず烏合(うごう)の衆と化している集団を批判的に捉える際には「群集」「野次馬」といった言葉が選ばれます。植物が生育する様子を表す「群生」も含め、言葉のバリエーションの豊かさは、人間がいかに古くから「集まる現象」に関心を寄せてきたかを物語っています。