彼の名を広く知らしめた決定的な原点といえば、1,000人以上が参加した超大型オーディションを勝ち抜き、主演の座を射止めた映画『町田くんの世界』だ。当時、無名に近かった彼を抜擢した石井裕也監督の判断は、日本映画界にとっても大きな収穫となった。
人が好きで誰にでも優しく接するが、運動も勉強も苦手という不器用な主人公・町田一。一歩間違えればフィクションの世界に浮いてしまいかねないキャラクターを、彼は持ち前の素朴さと圧倒的なリアリティで演じきった。スクリーンから溢れ出る無垢さと愛らしさは、観る者すべての心を揺さぶった。この作品で培った「カメラの前で飾らずに存在する」という経験こそが、現在のブレイクへとつながる確固たる原点となっている。