事件は、ススキノのホテル客室で男性の頭部がない遺体が発見されたことから始まる。防犯カメラの映像解析や客室に残された微物鑑定を進めた北海道警察は、事件後わずか数日で田村瑠奈被告とその父・田村修被告、母の家族3人を相次いで逮捕する異例の展開を見せた。さらに自宅ガレージや室内からは、切断された被害者の頭部や、殺害時に使用されたとみられるナイフ、鋸などの刃物類が押収され、日本中を騒然とさせた。
捜査の過程で浮かび上がったのは、親子の常軌を逸した依存関係と、家庭内における特異なパワーバランスだった。父親である田村修被告が娘の行動を阻止するどころか、ナイフの購入に同行し、現場への送迎まで行っていた事実が明らかになると、世間の衝撃は一段と深まった。凄惨な殺害計画がどのようにして立案され、実行に移されたのか。北海道警察が綿密に組み立てた立証の骨組みは、のちの公判において検察側の主張の強力な基盤となった。