SNSや知恵袋、音楽教室の現場をリサーチすると、多くのプレイヤーが口を揃えて語る共通の「壁」が浮かび上がってきます。
ネット上の投稿では、「コード自体は4つの繰り返しだから1日で覚えられた」「セッションですぐ使えて便利」といった声が目立つ一方で、中級者以上のコミュニティでは次のようなシビアな検証が交わされています。
「コードを押さえるだけなら誰でもできるが、あの独特の跳ねるようなグルーヴ(バウンス感)を出すのが恐ろしく難しい」「バンド練習で合わせると、どうしても平板なフォークソングのようになってしまい、椎名林檎特有の気怠い色気が出ない」。
取材に応じた都内の音楽講師は次のように分析します。「初心者がつまずく原因は、音符の長さ(音価)と休符の意識にあります。丸の内サディスティックの神髄は、鳴らしている音そのものよりも、音をスパッと止めるスタッカートやミュートの瞬間にあります。空間の美学を意識できるかどうかが、アマチュアのストロークとプロの演奏を分ける境界線です」。