食に対するアプローチも大きな曲がり角を迎えた。世界中から空輸した希少食材を贅沢に誇示する手法は影を潜め、サステナビリティと地域密着を極限まで突き詰めたダイニング体験が主役に躍り出ている。
シェフ自身が毎朝のように近郊の農家や漁港へ足を運び、その日の収穫だけに合わせてメニューを構成する。テーブルに運ばれる一皿には、生産者のこだわりや地域の生態系に関する物語が添えられる。食事が終わる頃、ゲストは腹を満たされた満足感だけでなく、その土地のカルチャーそのものを味わい尽くした感覚に包まれる。世界屈指の美食家たちが熱望するのは、そうした奥行きのある体験だ。