家宅捜索の終了は、事件の終わりではなく本格的な刑事手続きの幕開けに過ぎません。段ボール箱に詰められた証拠品が警察車両に積み込まれた直後、捜査官から「この後、警察署で少しお話を聞かせてほしい」と告げられるのが一般的な流れです。
これは法的には「任意同行」の要請ですが、捜査機関側の思惑としてはそのまま警察署の取調室で被疑者引き渡し・取り調べを行い、供述調書を作成する狙いがあります。ここからの進展には大きく分けて2つのシナリオが存在します。
シナリオ1:その場で通常逮捕・緊急逮捕されるケース
捜索によって決定的な証拠(違法薬物、偽造書類、決定的なデータなど)が発見された場合や、すでに逮捕状も同時に用意されていた場合は、家宅捜索の直後に逮捕手続きが取られます。そのまま留置場へ収容され、48時間以内に検察庁へ送致される厳格な身柄拘束手続きへと移行します。
シナリオ2:在宅事件として捜査が継続するケース
容疑を大筋で認めており逃亡や証拠隠滅の恐れが低いと判断された場合、あるいは押収した膨大なデジタルデータの解析に時間を要する場合は、逮捕されずに「在宅捜査」となることも少なくありません。数時間から半日の取り調べを受けた後に一旦帰宅を許され、後日指定された日時に警察署や検察庁へ出頭する形が取られます。