毎年猛威を振るうノロウイルス感染症。その感染力は凄まじく、わずか数十個のウイルス粒子が体内に侵入するだけで激しい嘔吐と水様下痢を引き起こす。
感染症予防の観点から重要なのは、二次感染の阻止と迅速な全身管理だ。ノロウイルスには抗ウイルス薬が存在しないため、治療の基本は対症療法としての体液管理となる。嘔吐物には大量のウイルスが含まれており、処理時の飛沫感染に細心の注意を払う必要がある。
近年の消化器内科学の研究では、ノロウイルスによる腸管粘膜のダメージを最小限に抑えるため、脱水補正後の早い段階で固形物の摂取を再開する早期経口摂取の重要性が示されている。絶食を長く続けすぎると腸粘膜の萎縮が進み、回復が遅れるからだ。おかゆやうどんなど、消化吸収の良い炭水化物から段階的に食事を再開していくプロセスが推奨されている。