ナツメグを一度に大量摂取すると幻覚を見るという話は、都市伝説ではなく医学的に証明された事実です。その主原因となるのが、ナツメグの種子に豊富に含まれるミリスチシン(Myristicin)やエレミシン、サフロオールといった揮発性の精油成分です。
これらの成分が体内の肝臓で代謝される過程で、交感神経を刺激するアンフェタミンに似た精神活性物質へと変換されると考えられています。さらに、副交感神経の働きをブロックする「抗コリン作用」を併発するため、脳や神経系に強い興奮と混乱をもたらします。
市販のパウダースパイスであっても、スプーン1杯(約5g前後)を一気に口にすれば、数時間後には現実と妄想の区別がつかなくなるせん妄状態や、強烈な幻覚、パニック発作に襲われるリスクが急激に跳ね上がります。軽い好奇心で試した結果、深刻な急性精神障害に陥るケースが後を絶ちません。