都内の閑静な住宅街。早朝7時すぎ、小さなコーヒースタンドの前にできた行列の目当ては、エスプレッソではなく出来立てのアサイーボウルだ。出勤前の会社員やジョギング帰りのランナーが、手慣れた様子でテイクアウトのカップを受け取っていく。
ここ数年で起きた最大の変化は、利用層の劇的な拡大だ。以前のような若年層を中心としたトレンド消費から、30代〜50代の健康意識が高い層、さらにはシニア世代までが普段使いの朝食として取り入れるようになった。高ポリフェノールで抗酸化作用が高く、鉄分や食物繊維が豊富なアサイーは、超高齢化社会を迎えた日本において「最も手軽なスーパーフード」としての立ち位置を確立したのだ。
大手外食チェーンの参入も相次いだが、消費者の支持を強く集めているのはむしろ街の個人店やマイクロスタンドだ。大仕込みの冷凍ベースではなく、注文を受けてからその場でアサイーの濃厚な果肉とフローズンフルーツをブレンドするこだわりが、舌の肥えた日本の消費者を惹きつけてやまない。