ヒロイン・白河莉子を語る上で欠かせないのが、プロを目指すバイオリニストという設定です。劇中では美しい演奏シーンが度々登場しますが、ネット上では「本人が本当に弾いているのか」「なぜ吹き替えなのか」という疑問が長年議論されてきました。
結論から言えば、バイオリンの音源自体はプロの演奏家による吹き替えが行われています。クラシック界のトッププロを目指す音大卒業生という設定上、劇中で求められたのは国際コンクールやプロオーケストラに通用する極めて高度で豊かな音色でした。未経験から短期間でそのレベルの音を録音することは物理的に不可能なため、音響面でのクオリティ担保として専門のバイオリニスト(宮内倫氏ら)の演奏音源が採用されたのが真相です。
しかし、画面に映る北川景子の運指(指の配置)とボウイング(弓の動かし方)は、すべて本人が血のにじむような訓練を重ねて完全再現したものです。当時の特番インタビューや制作日誌によると、北川は撮影に入る前の数カ月間、連日バイオリンを持ち歩き、指先にマメを作りながら1日何時間もの猛特訓に励みました。プロが見ても違和感のない完璧な所作と、演奏時の鬼気迫る表情作りがあったからこそ、あの感動的なコンサートシーンが成立したのです。