病気を理由に表舞台から完全に消える時代は終わりを告げつつある。近年のメディア復帰や情報発信のあり方は、驚くほど多様化している。NHKが制作する密着番組や特別番組では、病状が進む著名人の日常を隠すことなく取材し、視聴者に「認知症患者の生き直しのプロセス」を届けている。
また、Netflixをはじめとするグローバルな動画配信サービスでは、闘病の記録や家族の苦悩をありのままに描いたドキュメンタリー作品が多数制作され、世界的な評価を得ている。完全な復帰は難しくとも、車椅子でのイベント登壇や、自身の声や言葉を残す試みを通じて、彼らは「現在の自分」を社会に投げかけ続けている。それは芸能界におけるダイバーシティの浸透であり、病気を抱えた人間が社会から途切れないための新しい試みでもある。