太陽光発電が普及し、市場が成熟するにつれて、孫氏の視線は次なるステージへと移行していった。大きな転機となったのが、2026年におけるSBエナジー株式会社の株式売却である。豊田通商傘下のユーラスエナジーグループへの売却は、業界関係者を大いに驚かせた。
実体アセットの保有から脱却し、最新のテクノロジーや投資への集中を図る同社のポートフォリオ戦略の表れであった。太陽光発電技術そのものがコモディティ化し、単なる発電所の所有だけでは高いリターンが得られにくくなった市場環境の変化も、この撤退と再編を後押しした。巨額の資金を高度な計算資源や次世代AIへと振り向けるための、極めて冷徹な経営判断だったと言える。