一部の未視聴者やネット上の先入観として、「アラサー女子と年下男子のありきたりな恋愛ファンタジーではないか」という声が散見されます。しかし、これは作品の本質を見誤った誤解です。
本作が徹底して回避したのは、若さを消費するような安易な恋愛至上主義です。劇中で理人は、也映子に対して一貫して「ひとりの自立した女性」として敬意を払っており、也映子もまた、理人の未熟さや将来性を決して都合よく消費しません。ふたりの間にあるのは依存ではなく、お互いが自分の足で立つための「伴走」です。
また、松下由樹演じる幸恵のパートに関しても、「単なる息抜きのコメディ担当」と捉えるのは誤りです。嫁姑問題や夫の浮気という、ともすればドロドロの愛憎劇になりかねない題材を、決して目を背けずに描きつつ、家族という契約関係の脆さと再構築を真摯に問い直す骨太なドラマが展開されています。