新幹線の空調設備は、家庭用エアコンのように「室内の空気をただ冷やしたり温めたりして循環させる」ものとは根本的に構造が異なります。常に外気を取り入れ、車内の空気を強制排気する高度な連続換気システムが搭載されています。
JR東日本が公表している新幹線の換気能力データによると、東北・上越・北陸新幹線(E5系・E7系など)では、約6分から8分に1回のペースで車内の全空気が新鮮な外気と入れ替わる設計になっています。外気は車両上部または床下の吸気口から取り込まれ、高性能フィルターを通って天井のスリットから静かに吹き出します。その後、座席足元や壁面下部の排気口から車外へと排出されるため、車内の空気は常に一方向(上から下)へ流れる仕組みです。
東海道・山陽新幹線を運行するJR東海においても、最新鋭のN700Sや主力車両N700Aにおいて同等以上の換気能力を実証しています。走行中はもちろんのこと、駅への停車中であっても換気システムは24時間フル稼働を続けており、一般的なビルや住宅の法定換気基準(1時間に数回程度)を遥かに凌駕する換気量が確保されています。