川島道行さんの音楽人生は、病魔との戦いの連続でもありました。最初に脳腫瘍が発覚したのは、バンドが世界デビューを果たした直後の1997年のことです。当時から初期治療を受けつつ精力的な活動を継続していましたが、2012年、2013年、2014年と度重なる再発に見舞われました。
特に2015年夏に判明した5度目の再発は、医師から「余命宣告」を受けるほど深刻なものでした。脳の腫瘍組織が言語機能や身体の運動機能を司る部位に影響を及ぼし、日常会話やギターの演奏すら困難な状態に追い込まれていったのです。
それでも川島さんは決して音楽を諦めませんでした。麻痺が残る手でピックを握り、声を振り絞ってレコーディングに挑む姿は、まさに表現者としての極限状態でした。自宅療養とリハビリを続けながら家族に見守られ、2016年10月9日午前5時12分、静かに息を引き取りました。