臭みを完全に消し去り、身のふっくら感を最大限に引き出すプロ秘伝の「隠し味」とは何か。それは、下処理の仕上げに施す「清酒+ひとさじの昆布出汁(またはうま味調味料)」の薄塗りだ。
食品科学の分野で長年旨味成分と保水性の関係を研究している味の素株式会社の知見によれば、グルタミン酸をはじめとする有機酸やアミノ酸は、魚肉タンパク質の加熱による急激な収縮を抑え、水分保持力を高める働きを持つ。塩を振る直前、あるいは拭き取った後に、酒とわずかな旨味成分をスプレーなどで薄く表面に纏わせることで、加熱時のアルコール揮発に伴って臭み成分が完全に飛び、驚くほどジューシーな食感が生まれる。