肝疾患に伴う特有の痒みは、医学的に「胆汁鬱滞性皮膚瘙痒症(たんじゅううったいせいひふしょうようしょう)」と呼ばれる。加齢によるドライスキンやアトピー性皮膚炎といった皮膚疾患との大きな違いは、初期段階において「掻き壊し以外の原発性のかぶれや湿疹が存在しない」点にある。
患者の多くは、「皮膚の奥底がむずむずする」「身体の内側から掻きむしりたい感覚に襲われる」と語る。特に手のひらや足の裏、太もも、背中などに強く現れやすく、入浴後や夜間の就寝時に症状が一段と悪化する傾向がある。睡眠障害を引き起こすほど強い不快感があるにもかかわらず、見た目には大きな変化がないため、周囲に理解されにくいという酷な側面も持っている。