東京の下町に根付く浅草 おにぎり 専門店 歴史を紐解く上で、浅草宿六の存在を外すことはできません。創業は戦後復興期の1954年。米が貴重だった時代、初代が「手軽に美味しい米を食べてほしい」という一心で開いた小さな店舗がその発祥です。屋号の「宿六」とは、江戸落語などで親しまれる「ろくでなしの亭主」を意味する下町言葉に由来し、気取らずに立ち寄れる日常の止まり木としての温かさを今に伝えています。
この歴史ある暖簾を守り、さらなる高みへと押し上げたのが三代目であるおにぎり浅草宿六 三浦洋介 店主です。元フルート奏者という異色の経歴を持つ三浦氏は、繊細な指先の感覚と独自の美学を握りの技術へ昇華させました。米の粒を押し潰さず、空気を含ませるように素早く3回だけ転がして成形する職人技は、まさに芸術の域に達しています。
その緻密な職人仕事が国際的に評価され、おにぎり浅草宿六 ミシュラン ビブグルマンに選定される快挙を成し遂げました。伝統的な大衆食を「ガストロノミー(美食)」の文脈へ昇華させた立役者として、世界的メディアからも熱い視線が注がれ続けています。