ネット上で散見される「さんまの焼き方」には、科学的に見ると逆効果な手法がいくつか紛れ込んでいます。代表的な3つの誤解を正しておきましょう。
誤解1:「フライパンに油をたっぷり引けばくっつかない」
さんまは非常に脂質の多い魚であり、旬の時期には魚体の20%以上が脂で構成されています。フライパンにサラダ油などを引いてしまうと、さんま自体の脂と混ざり合って「揚げ焼き」のような状態になり、脂っこくて胃もたれする仕上がりになってしまいます。シリコーン加工ホイルを使用し、油は一切引かずに魚自身の脂だけで焼き上げ、余分な脂は吸い取るのが正解です。
誤解2:「密閉して蒸し焼きにすればふっくら仕上がる」
蓋を完全に閉めてしまうと、魚から蒸発した水分と生臭いトリメチルアミンが蓋の裏で結露し、再び魚の上に滴り落ちます。結果として皮がふやけてブヨブヨになり、生臭さが身全体に定着してしまいます。ふっくら感を保ちつつ皮をクリスピーに仕上げるには、「蒸気抜きスリット」を作るか、アルミホイルを軽くドーム状に被せる程度に留めるのが鉄則です。
誤解3:「塩を振ったら30分以上じっくり寝かせる」
塩を振ってから放置しすぎると、水分だけでなくさんま本来の旨味成分(イノシン酸など)を含んだ細胞液まで過剰に流出してしまい、身がパサパサになってしまいます。塩振りの時間は常温で10〜15分がベストバランスです。