マンデラの政治運動の軸足となったのが、アフリカ民族会議(ANC)である。彼は当初、非暴力による抗議運動を展開していた。しかし、1960年のシャープビル虐殺事件を機に、平和的アプローチのみでの限界を鋭く痛感。軍事部門「民族のやり」を発足させ、地下潜伏活動への移行を決断する。
逮捕、そして国家反逆罪に問われた裁判。ロベン島の狭小な牢獄で20年以上を過ごした苛烈な環境が、彼を熱血な運動家から、長期的洞察を備えた国家指導者へと脱皮させた。獄中で敵である白人層(アフリカーナー)の言語や歴史、心理構造を徹底的に学び抜いた経験こそが、のちの劇的な平和政権交代を支える力となった。