物語のクライマックスで、ポニョは人間になるための試練を乗り越えた。それは「魔法を永久に捨て、人間としての人生を歩む」という不可逆の選択だった。そして宗介に求められたのは、彼女が魚であっても、半人前であっても、人間であっても「ありのままを受け入れる」という純粋な試練だ。二人の幼い約束が果たされたことで、崩壊寸前だった世界の均衡は保たれた。
映画が終わった後、二人はどのような日常を送っているのだろう。成長した宗介は変わらず海辺の町で暮らし、ポニョは人間としての身体で一歩ずつ歩みを進めているはずだ。魔法を失ったポニョは、熱を出したり膝をすりむいたりしながら、人間ならではの喜びや痛みを覚えていく。幼少期の無垢な絆は、やがて少年少女の成長とともに、より深い信頼関係へと姿を変えていったに違いない。