「遥か彼方の北米大陸で起きている出来事」と傍観することはもはや許されない。カナダの広大な森林から排出される膨大な二酸化炭素と大気エアロゾルは、地球規模の大気循環を歪め、北半球全体の気候パターンを変容させている。偏西風の異常な蛇行を引き起こす要因となり、日本列島を襲う夏の極端な高温や、短時間での局地的な豪雨の一因になっているとの研究解析も増えている。
また、北極圏周辺へ降り積もる大量の黒色炭素(ブラックカーボン)は、氷河や永久凍土の太陽光反射率(アルベド)を低下させ、融解速度を加速させる。カナダの空を赤く染める炎は、巡り巡って巡り巡り、日本の四季のあり方や異常気象リスクの前提そのものを静かに書き換えつつあるのだ。