ハイテク技術の一方で、いま改めて大きな注目を集めているのが、この土地で何千年も暮らしてきた先住民族(ファースト・ネーションズ)の伝統的な知恵だ。彼らは古くから、春先などの安全な時期に意図的に森林の一部を焼く「制御火災(伝統的野焼き)」を行ってきた。
あらかじめ地表の燃えやすい低木や枯れ葉を減らしておくことで、夏場の大規模な山火事を防ぎ、生態系の若返りを促す手法だ。近代的な「完全消火方針」が長年裏目に出て、燃えやすい物質が森に溜まりすぎていた反省から、カナダ政府は先住民族のリーダーたちと提携。伝統的な火の管理技術を現代の防災計画に本格的に組み込む試みを急速に進めている。