三宮の酒場ゾーンを象徴するのが、鉄路の下に広がる熱気あふれる空間だ。阪急電鉄と西日本旅客鉄道(JR西日本)の線路が交差・並走するこのエリアは、古くから独特の発展を遂げてきた。
昭和の面影を色濃く残す「三宮高架下」のディープな酒場街には、頭上を通過する電車の振動をBGМ代わりに、常連客と一期一会の客が肩を並べる風情がある。名物のどて焼きや自家製ポテトサラダをアテにチューハイを煽る時間は、まさに格別だ。一方で、近年誕生した「EKIZO神戸三宮」周辺は、現代的でスタイリッシュなバルやネオ大衆酒場が立ち並び、伝統のノスタルジーと都市の洗練が同居する唯一無二の飲み屋街を形成している。新旧の鉄道インフラが育んだこの重層的な酒場環境こそが、三宮の夜の底力と言える。