時計の針を2014年に戻そう。兵庫県議会に所属していた野々村氏が受け取っていた政務活動費から、城崎温泉などへの不自然な日帰り出張が年間195回、約300万円に上ることが発覚した。釈明のために開かれた記者会見は、誰も予想し得ない展開をたどる。「命がけでッ!」「ワーッ!」と大声をあげて涙を流す姿は、日本中を呆然とさせた。
事態を重く見た兵庫県警察は虚偽有印公文書作成・同行使などの容疑で捜査を開始。自宅捜索や任意聴取を経て、男は在宅起訴されるに至る。政治資金の私的流用という極めて重いテーマでありながら、会見の滑稽とも言えるパフォーマンスがあまりに強烈だったため、事件の本質とエンターテインメント的な消費が表裏一体となる異例の事態となった。