この分野の研究を牽引しているのが、ドイツの有名研究機関であるマックス・プランク進化人類学研究所だ。彼らの国際研究チームは、ユーラシア大陸全域から発掘された数千年前から数万年前の古代イヌ科動物の骨を徹底的に分析した。
その解析結果は世界の科学界を揺るがした。東アジアの古代犬とヨーロッパの古代犬とでは、遺伝的な背景が明らかに異なることが分かったのだ。具体的には、初期の犬の祖先は東側のオオカミ系統に強く依存している一方で、中東やヨーロッパの犬には西側のオオカミの血筋が深く流入している。この事実は、犬への変化プロセスが複数地域で同時並行的に、あるいは段階的な交雑を経て進んだことを意味している。