数あるムロタニツネ象の代表作の中でも、読者の脳裏に焼きついて離れない筆頭格が『地獄くん』です。少年誌に掲載された本作は、閻魔大王の使者である奇怪な少年「地獄くん」が、罪深き人間たちに容赦のない制裁と地獄の責め苦を与えるオムニバス・ホラーです。
単なるスプラッター描写にとどまらず、人間のエゴや残酷さ、因果応報の理を冷徹に描き切った内容は、当時の少年少女に凄まじい衝撃を与え、昭和を代表するトラウマ漫画として語り継がれることになりました。奇怪でありながらどこかユーモラスで哀愁漂う造形美と、容赦のないバッドエンドの切れ味は、現在もコアな漫画マニアやサブカルチャー愛好家の間でカルト的人気と高い評判を獲得しています。