夜深くなると、スマートフォンの画面はどす黒い感情の吹き出し口と化す。「早く死んでほしい」「存在そのものがストレスだ」。投稿サイト「旦那デスノート」に並ぶ言葉は、単なる愚痴の域を遥かに超えている。かつて漫画『DEATH NOTE』で描かれた、名前を書かれた人間が命を落とすというフィクションの恐怖が、現代日本の夫婦関係の闇を浮き彫りにする鏡となった。
こうした投稿を行う既婚女性の背景は様々だが、共通しているのは居場所のなさだ。SNSや匿名掲示板は、日々の生活で抑圧された怒りを吐き出す唯一のアジール(避難所)となっている。だが、画面上でどれほど激しい言葉を綴ろうとも、翌朝になれば同じ屋根の下で夫と顔を合わせる日常が待っている。