美容面においても、噛み合わせが深いことによる顔立ちの変化は見逃せない問題だ。過蓋咬合の人は、噛み合わせの深さによって下顔面(鼻の下から顎先までの距離)が短くなりやすく、いわゆる「丸顔」や「顎が引っ込んだ横顔」になりやすい傾向がある。
さらに注目すべきはエラ張りと噛み合わせの関係である。過蓋咬合の患者は無意識に強く噛みしめる傾向が強く、咀嚼筋の一つである「咬筋(こうきん)」が過剰に発達する。その結果、フェイスラインの外側が張り出し、顔全体が横に大きく見えてしまうのだ。年齢を重ねると口角が下がり、口元に不自然な梅干しジワ(オトガイ筋の緊張)やほうれい線が刻まれやすくなる。
近年、テレビやSNSで活躍する噛み合わせが深い芸能人やモデルが、歯列矯正を経て劇的にフェイスラインをシャープに変化させた事例が話題を集めている。噛み合わせの高さを適切に挙上(リフトアップ)することで、咬筋の過緊張が解け、ボトックス注射などに頼らずともエラ張りが自然にスッキリと改善されるケースは臨床上非常に多い。