NHK『おかあさんといっしょ』における歴代人形劇の歴史において、第8作目にあたる『ドレミファ・どーなっつ!』が背負ったプレッシャーは並大抵のものではありませんでした。1982年から10年半にわたって放送され、社会現象となった前作『にこにこ、ぷん』(じゃじゃまる、ぴっころ、ぽろり)の終了直後は、視聴者の間にいわゆる「にこぷんロス」が広がっていたためです。
しかし、原案・脚本を手掛けた井出隆夫氏と音楽の越部信義氏という黄金コンビが紡ぎ出す心温まるストーリーとキャッチーな楽曲群は、瞬く間に子どもたちの心を掴みました。元気いっぱいの主題歌「ドレミファ・どーなっつ!」をはじめ、劇中で歌われるミュージカル仕立ての楽曲は、幼児教育の現場でも広く歌い継がれるスタンダードナンバーとなっていきました。
『ドレミファ・どーなっつ!』は、前作の3人構成から「4人体制」へと登場人物を拡張したことで、より複雑で豊かな人間関係のダイナミクスを描き出すことに成功しました。これにより、喧嘩やすれ違い、仲直りのプロセスがよりリアルかつ立体的なドラマへと昇華されたのです。