ネット検索やSNS上で定期的に浮上する「ホンダ 栃木研究所 閉鎖」というキーワード。結論から明言すれば、栃木研究所が閉鎖された事実は一切存在しません。広大なテストコースを持つ栃木プルービンググラウンドを含め、現場は今も活気に満ちた開発業務を継続しています。
では、なぜ火のない所に煙が立ったのでしょうか。最大の要因は、ホンダが断行した歴史的な組織再編と看板(所属組織名)の変更にあります。
かつて栃木研究所の敷地内にあった「四輪R&Dセンター」では、先行研究から市販車の量産開発までを一気通貫で手掛けていました。しかし、2026年4月の組織改編を皮切りに、四輪量産車の開発機能は本田技研工業本体の「四輪事業本部(ものづくりセンター)」へと統合。研究所という法人から、ホンダ本体への大規模な人員・機能シフトが実施されたのです。
この再編に伴い、「本田技術研究所の四輪部門が解体された」「研究所の看板が外れた」という情報が断片的に切り取られ、外部から「栃木の拠点が閉鎖されるらしい」という誤った風説へと変質していきました。看板の管轄が変わっただけであり、栃木県芳賀町の敷地で数千人規模のエンジニアが開発に没頭している実態に変わりはありません。