少年の声を演じさせたら右に出る者はいないと言われた彼女だが、その才能のもう一つの頂点が『CAT'S EYE』のヒロイン・来生瞳に代表される「洗練された大人の女性」の表現だ。
普段は喫茶店を営むおしとやかな女性でありながら、夜になれば華麗な怪盗として夜空を舞う。その二面性を、甘さと妖艶さ、そして切なさを孕んだ声で見事に演じ分けた。怪盗としてのクールなアクションシーンと、恋人である刑事・内海俊夫の前で見せる乙女心のギャップは、多くの視聴者を虜にした。
こうした変幻自在な芝居の土台にあったのが、長年にわたる海外映画の吹き替え(洋画吹き替え)で培われた経験だ。海外の名女優たちの表情や息遣いにミリ秒単位で声を合わせ、日本語としての自然な対話を生み出す高度な技術。それがアニメーションのキャラクターにも圧倒的なリアリティを注入することとなった。