「完全に汚れが付かなくなるまで何度もゴシゴシ擦る」という人は少なくありません。しかし、トイレットペーパーで拭く回数は、排便後であっても2回から多くて3回までが皮膚医学におけるボーダーラインとされています。
肛門周辺の皮膚は、まぶたと同じくらい薄くデリケートです。乾いた紙で何度も強く摩擦を繰り返すと、皮膚のバリア機能を担う皮脂膜が削り取られ、肛門の摩擦による肌荒れや裂肛(切れ痔)を誘発します。医師が推奨する拭き方の極意は「擦る(Wipe)」のではなく「押し当てる(Pat)」ことです。
たたんだペーパーを肛門部に軽く密着させ、3〜5秒ほど静止して汚れや水分を紙に吸い取らせます。もし3回以上拭いても便が付着し続ける場合、それは拭き方の問題ではなく、便秘や軟便、腸内環境の乱れによる拭き残しの原因が潜んでいるサインです。無理に紙で落とそうとせず、食生活の見直しや食物繊維の摂取など根本的な便質改善に目を向けるべきです。