海外転職を検討する際、「現地採用はやめとけ」と経験者が口を揃える最大の要因は、同じ日系企業の中で可視化される駐在員との圧倒的な待遇格差にあります。海外の日系拠点では、日本本社から派遣された「駐在員」と、現地拠点で採用された「現地採用」が肩を並べて働きますが、両者の間には埋めがたい待遇の壁が横たわっています。
駐在員の場合、日本水準の基本給に加えて海外勤務手当、ハードシップ手当、全額または大半が支給される高級コンドミニアムの家賃補助、社用車やドライバー、子供のインターナショナルスクール学費補助、年1回の一時帰国費用まで手厚く保障されます。これらを合算した実質的な年間報酬パッケージは1,500万〜2,500万円規模に達することも珍しくありません。
一方の現地採用は、現地のローカル給与体系に準拠するため、住宅手当や高額な手当は原則支給されません。業務内容が駐在員のサポートや現場マネジメントで実質的に重責を担っていても、手取り収入は駐在員の半分以下にとどまります。この「同じ空間で同じように働きながら、受け取る生活水準が全く異なる」という理不尽な環境が、現地採用で後悔する決定的な理由の筆頭に挙げられます。