作品が提示したラストシーンには、長年のファンをも驚かせた怒涛の伏線回収と、空知英秋氏独特の意図的な余白が共存している。物語の終盤、世界を崩壊に導く虚の地球アルタナを巡る攻防は、江戸の町人から真選組、かぶき町の住人たち全員を巻き込む一大叙事詩へと昇華した。
特筆すべきは、劇中で散りばめられていた「松下村塾の約束」や「魂のバトン」の回収だ。最終章において銀時たちが再結成した「万事屋」の存在そのものが、かつて居場所を失っていた若者たちが作り上げた新しい家族の形であったことが証明される。また、高杉の転生を思わせるラストカットや、江戸の復興とそれぞれの日常への帰還は、終わりの終わりまで読者の感情を揺さぶり続けた。
未回収と囁かれるいくつかの謎やキャラクターたちのその後の足跡についても、公式ガイドブックや完結後のインタビューで提示された裏設定によって補完され、単なるストーリーの消化にとどまらない奥行きを作品に与えている。