美しすぎる後ろ姿を持つクーペには、往々にしてネガティブな噂や誤解が付きまといます。購入を検討する上で知っておくべき盲点と、その真実を検証します。
誤解1:デザイン最優先のため、ルームミラーからの後方視界は絶望的?
「ファストバッククーペはリアガラスが寝ているため、後ろがほとんど見えない」という言説がネット上で散見されます。確かに初代S30やZ32に比べ、現代の安全基準を満たすためにCピラーは太く設計されており、目視による後側方の死角はセダンやSUVに比べれば大きめです。
しかし、日産 フェアレディZ 評価 最新の現場検証において、この問題は実質的に解決されています。現行型ではバックカメラの解像度向上に加え、スマート・ルームミラー(インテリジェント ルームミラー)が広く活用されており、車内に荷物を満載した状態でもクリアな後方視界が確保されます。伝統的な造形美を頑なに守りつつ、日常ユースでのストレスを最新のデジタル技術で解消している点は、見落とされがちな美点です。
誤解2:レトロな見た目を重視しただけで、本気の空力性能は二の次?
「昔のデザインを真似ただけではないか」という冷ややかな見方も一部にありました。しかし、日産のモータースポーツ部門(NISMO)やGT500の空力開発チームが関与したRZ34のリアエンドは、徹底的な風洞実験の産物です。
トランクリッド後端のわずかな跳ね上がり(キックアップ)形状は、空気の流れを車体後方へスムーズに剥離させ、空気抵抗(Cd値)の低減とリフト(揚力)の抑制を両立させています。また、アンダーフロアを流れてきた気流を整流するリアディフューザーの傾斜角もミリ単位で最適化されており、時速100kmを超える高速巡航時にはリアタイヤを路面に押し付ける安定したダウンフォースを発生させています。見た目の美しさとモータースポーツ直系の機能性が、完全に一致しているのです。