彼の演技力は、決してアイドル的人気の上に成り立つ軽薄なものではない。映画『戦火の中へ』で見せた鬼気迫る少年兵の眼差しは、青龍映画賞や百想芸術大賞の新人賞を獲得し、映画界にその実力を知らしめた。
とりわけ代表作となった『タチャ 神の手』では、過酷な勝負の世界に身を投じる若きギャンブラーの狂気と哀愁を泥臭く演じ切り、興行的にも大成功を収めた。チェ・スンヒョンという俳優の強みは、台詞のない場面でさえ空間を支配する圧倒的な視線と間(ま)のコントロールにある。その天賦の才が、幾多の苦渋を舐めた経験を経て、より深淵な凄みへと昇華されている。