日本における五芒星の歴史を語る上で欠かせないのが、平安時代の伝説的陰陽師である安倍晴明である。彼が用いた魔除けの呪符「晴明桔梗」は、まさに完璧な五芒星の形を成している。五行説に基づく「木・火・土・金・水」のバランスを整え、あらゆる邪気を祓い調和をもたらすシンボルとして珍重されてきた。
かつて大ヒットを記録した映画『陰陽師』や近年の映像作品を通じ、この紋様が持つ圧倒的な守護力は広く周知されるようになった。手のひらに現れる五芒星もまた、晴明が展開した強力な結界のごとく、持ち主を悪意や不運から守る「肉体的なお札」として機能しているのではないか——そうした説が語り継がれるのも決して不思議ではない。