梅雨時や長雨の後に、突如としてブロック塀や玄関先に無数のヤスデが這い上がり、パニックを引き起こすケースが相次ぎます。この大量発生には、彼らの好む生息環境と生態的習性が深く関わっています。
ヤスデは本来、落ち葉や腐植土、朽ち木などを主食とし、有機物を分解して土壌を豊かに還元する自然界の優秀な分解者(益虫)です。しかし、降雨によって土壌中の水分が過剰になると、溺死を避けるために一斉に地上へ脱出し、乾燥した高所を目指して家屋の基礎や壁面を登り始めます。
無害かつ有益な生物でありながら、数十匹から数百匹単位で群がる異常な景観と悪臭によって、人間生活においては不快害虫として扱わざるを得ないのがヤスデの実態です。