ダブルリーチを狙うプレイヤーが最も苦杯を舐めるシチュエーションが、ダブルリーチ鳴かれた場合の処理です。配牌を開いて「テンパイが入った、ダブリーだ」と意気込んだ瞬間、親の第1打に対して他家から「ポン」や「チー」の発声が入った経験を持つ打ち手は少なくありません。この瞬間、いまだ自分のツモ番が回ってきていなくても、ダブルリーチ鳴き無効ルールが冷酷に適用されます。
なぜ鳴きが入ると無効化されるのでしょうか。近代麻雀の競技規定において、第1巡目は「四家全員が牌を鳴くことなく1回ずつツモと打牌を完了する純粋なサイクル」と定義されています。誰かがポンやチーを行った時点で巡目の連続性が断ち切られ、ゲーム上のフェーズが「第2巡目以降」へと強制遷移するためです。たとえ手牌自体は純粋な配牌テンパイであっても、打牌時にはすでに「第1巡目の純粋性」が喪失しているため、成立するのは通常の1翻リーチに留まります。
盲点となりやすいのが、他家による「暗槓(アンカン)」です。ポンやチーといった他家の捨て牌を奪う鳴きではなく、手牌4枚で揃えた暗槓であっても、カンドラをめくり嶺上牌(リンシャンハイ)を引くという一連の動作が巡目を1巡消費させたとみなされ、ダブルリーチは成立しなくなります。競技麻雀の牌譜記録を見ても、第1打でのダブリー阻止を狙った他家の鳴き仕掛けは、防御戦術の一環として成立している側面があります。