まず大前提として、日本の国内線における機内持ち込み手荷物のサイズ規定には「業界統一の絶対ルール」が存在しない。国土交通省の通達や航空各社の約款は、あくまで「安全運航のための最低限の基準」を示しているに過ぎず、実際の運用は各航空会社が機材(特に客室のオーバーヘッドビン=頭上収納棚の容量)に合わせて個別に設定している。これが「なぜ航空会社で違うのか」という疑問に対する構造的な答えだ。
例えば、ANAとJALの国内線は伝統的に「3辺合計(縦・横・高さの合計)115cm以内、重量7kg以下、個数は1個+身の回り品1個」という基準を採用している。しかし、機材の小型化が進む地方路線や、ボーイング737-800を多用するLCCではオーバーヘッドビンの奥行きが浅く、115cm以内でも収納できないケースが出てくる。ピーチ・アビエーションを筆頭に、ジェットスター・ジャパン、スプリング・ジャパンといったLCC各社は「3辺合計115cm以内」という数字こそ同じでも、実際の搭乗口では寸法測定用の「サイズゲージ」に収まらなければ容赦なく預け荷物扱いとなる厳格運用が敷かれている。ここに「LCC 機内持ち込み 厳しい」と言われる所以がある。